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2014年6月29日

須田帆布店

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先週の日曜日、茨城で進めているプロジェクトの打ち合わせでつくば市に行き、その打ち合わせの帰りにお施主さんと一緒に、須田帆布さんに伺いました。須田帆布さんは、つくば市内に工房とお店を持つ、手作りの鞄屋さんです。とても人気のある鞄屋さんで、東急ハンズなどでも売られているのですが、当日も筑波の店内にも遠方からたくさんの方がいらしていました。須田さんご夫婦が一つ一つ使い方やメンテナンス方法を丁寧に説明されていました。様々な具体的なシチュエーションを想定されて鞄がつくられているのが印象的で、また商品一つ一つについての説明を多分ご主人が書かれていらっしゃるのですが、それぞれの鞄にとても愛情を込めて、飾らず誇張せずに書かれていて、読んでいて楽しくとても好感がもてました。
今回はお施主さんが須田帆布さんのお店の建物が素敵なので一緒に併設されているcafeに行きましょうとお誘い頂いて伺ったのですが、建物もとても良かったです。建物は木造で、切り妻の金属屋根、左官仕上げの外壁、木製建具素地仕上げの開口部の建物は、周辺の住宅街の建物よりも少し大きいボリュームに関わらず、突出することなく街並にも調和していました。お店の中は壁天井が見切りのない白い左官仕上げで、床は無垢の厚板敷きでした。印象的だったのは、床の無垢材(ハードメープル)は一枚一枚丁寧に手仕事で四周に2mm程度面をとられていました。通常面をとると丸みを帯びた優しい印象になるのですが、この建物の面は丸くせず落としているので、非常にエッジがきいていて素材の良さが引き立っていて良かったです。残念ながら2階のcafeは現在やっていなかったのですが、店主の須田さんのご好意で2階のcafeスペースも見させて頂きました。建物の設計施工は茨城の大工さんで、とても良い吟味された素材が、非常に丁寧につくられて、つくり手と建て主の方の大変な労力と建物への思いがビシビシと見る人へも伝わってきました。
その後、須田さんが建物を担当されていた高橋さんという大工さんをお店に呼んで頂いて紹介頂き、お施主さんご夫婦、須田さん、高橋さんと私でお話をする時間を頂きました。そこにいた全員がものつくりに関わる人間で、現在進めているプロジェクトの話をさせて頂いたり、お施主さんのものつくりへのお考えや、須田さんと高橋さんから当時の建物建設のお話や、ものつくりへのお考えを聞くことができました。また皆さんで再会したいと思うような素敵な出会いでした。