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2014年4月19日

浄土寺浄土堂

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数年前の夏、兵庫にある国宝浄土寺浄土堂を訪れました。
浄土堂は1194年に重源によって建てられた仏教建築で、約18m×18mの正方形平面、面積は330㎡、6寸勾配の方形屋根の建物です。この浄土堂は自分的にはとてもいいなと思った建物の一つです。是非近くに行かれた際には見て頂きたい建物です。
敷地は少し高台にあって、周辺から見ると浄土堂の屋根が少しだけ見える程度、境内の中に入っても、あまり演出された感じの建ち方ではなく、どちらかというと唐突に置かれているような印象をもちました。建物は境内の中で一番西側にあり、人のアプローチも西側からなので、階段で境内に上がってくると浄土堂の側面を一番始めに目にする事になります。境内には東に薬師堂もあります。建物は大きいという印象はなく、また正面性もあまり感じませんでした。内部は大きな阿弥陀如来像(H5.3m)が中心におかれ、その廻りを人が自由に歩く事ができ、室内の柱や梁など構造材は朱色、壁面は白色で塗られ、天井がはられていない大きな一室空間です。私は、北側の小さな扉から入って、中央の如来像の大きさ、天井のない高く大きな空間、朱色と白の鮮やかな色彩に圧倒され、像の前にいる人はとても小さく感じられました。外観に見る普通さ、内観の荘厳でありながら、自由な雰囲気がとても良かったです。
私が訪れたのは午前10時頃ですが、西側には木格子が入った開口部があり、夕方になると如来像が後方からの西日の光を受け、最も印象的な室内風景になるように計画されています。今度はこの時間(午後16時)にもう一度訪れたいと思っています。