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2017年9月29日

平成29年度日事連建築賞 優秀賞

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弊社で設計監理を行いました「日南市油津商店街 多世代交流モール」日本建築士事務所協会連合会主催の平成29年日事連建築賞の優秀賞を受賞しました。昨年受賞した日本建築士会連合会賞の優秀賞に続く受賞です。
現地審査では、審査委員長の富永譲氏をはじめ、網野禎昭氏、石堂威氏、作山康氏、陶器二三雄氏、横須賀満夫氏を、現地でご案内させて頂きました。
竣工後1年半がたった商店街と建物を多くの人にみて頂く機会になればと思っていたので遠方まで皆様で来て頂けたこと、賞を頂けたことを嬉しく思います。
私自身久しぶりに伺った商店街は、商店街の空き地に新設された保育園「油津オアシスこども園」をはじめ、名古屋大学の学生である奥田さんが立ち上げた商店街の空き家をリノベーションしたゲストハウス「fan! -ABURATSU-」、IT関連6社の新しいオフィス、子育て支援センター「ことこと」等、多様な活動が新たに生まれているのを見ることができました。
写真は油津オアシスこども園(設計は宮崎県で活動されているレモン設計室さん)。保育園に隣接する空き地を利用して、水遊びを子ども達が楽しんでいました。私たちが描いた隣地の空き地を利用し各商店が豊かさつくり出す商店街像が自分の手を離れて実践されており、大変嬉しい光景でした。

日事連建築賞の選評を頂いたので添付させて頂きます。

選評
日本の地方都市は、高度成長期の変動の激しかったその時々での産業の隆盛や衰退に左右されて、まちは姿を変えてゆく。油津のアーケード商店街に15年以上空き店舗であった1スパンを減築し、通り庭をつくり出し、そこに回遊性をもたらす、シャッター街再生の起点にしようとした計画である。建築としては、地元の木材を巧みに使い、通り庭を整備しただけのささやかなものともいえるが、暗く停滞してゆくまちの姿の絶望を乗り越え、地元の人の力を呼び起こし、訴えかけようとする若い設計者や企画者のエネルギーの社会的意義は決して小さいものとはいえない。(富永譲)

今年はリノベーション作品が多く見られ、人口減少時代において建築士事務所の仕事も新築だけではなく改築や減築、さらに用途転換(コンバーション)など、さまざまな建築のあり方が問われつつあり、建築賞も新築だけの評価では収まりきれなくなっている。常日頃、都市を扱っている立場なので、日南市油津商店街多世代交流モールの従前のスーパーマーケット空き家の有効活用は、減築、モール整備、エリアマネジメントといった中心商店街を再生させる起爆剤となり、単に箱物を設計するのではなくまちづくりとしての建築として、評価が高かった。(作山康)